일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면

아오조라 문고

「いや、できる」

秀吉は、決して、官兵衛の言を肯定しない。およそ官兵衛の献言にたいして、彼がこうつよく否定したことは初めてといっていい。

「かならずできる。ただし三千の人夫が、三千の力だけしか出さないでいてはできない。ひとりが三人前、五人前の労力を出せば、三千の人夫は、万余の力になる。それを督する侍どもとても同じように、一人が十人分の気力をふるい出せば、何事か成らぬという理由があろう。――官兵衛。こういたせ、秀吉も一応工事場へ臨むであろうから」

何事か、秀吉はささやいた。

翌日の朝頃である。

突然、黄母衣の使番が、工事場をかけめぐって、全員に、工事の中止を命じ、

「一同、あの小旗の見える下へ集合しておれ」

という命が下った。

「なんだろう?」

人夫頭は、寄々、首をひねりながら、ともあれ小旗の立っている堤の下へ集まった。

ゆうべから徹夜で土をかついでいた人夫も、いま交代して、堤の土盛りにかかり出していた人夫も、すべてその組々の親方に従って、一ヵ所に蝟集した。

土の色とも人の色ともわからない数千人の頭数が、

「おい、なんだね」

「なにがあるんだ?」

と、半ば不安に駆られていながら、しかも虚勢を失わず、彼らの通有性である戯れ言や揶揄を露骨な態度に示したまま、黒々と人波をゆるがしていた。