후리가나로 읽는 일본 고전
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
柳田 国男의 海上の道(かいじょうのみち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 182,344자 · 353화면
古い生活の痕の消えてしまうのも遠くはあるまいが、それでも自分などの旅をした頃までは、三河の作手のような静かな山村でなくとも、四国九州の海辺や鉄道沿線にも、穂のまま稲を積む習俗はなお見られた。東北地方は一般にニホの形が大きく、また技術が念入りであって、近年は稲藁だけでなく、薪も枯草なども巧みにニホに積むようにはなっているが、なお多くの村々に穂ニホまたは本ニホという名称の存するのを見ると、ニホが本来は刈稲をそのまま積んで置く場所なることを、まだ意識しているのかと思われる。ニホを新穂の義と解している人が今もそちこちに有る。岩木山の谷の奥にはニヒボの滝、厳冬にその滝の氷の形によって、次の収穫の豊凶を卜すべく、深い雪を分けて見にゆく農夫も元は多かった。漢字では「乳穂」とも書き、人の乳房の形に氷るとも言ったが、それはおそらくは文字の知識のある者の想定に限られ、普通には是がニホであることをみな知っていた。羽後の仙北の境の山には、ニウツムリという遠くから見える一峰があって、それも文字では乳頭山などと書いているが、形は明らかに稲ニホと近く、しかも或る期節に消え残った雪の形を眺めて、来る秋の稔りを占なう点は、津軽の山中の滝とも似ていた。