후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
田山 花袋의 田舎教師 他一編(いなかきょうし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 156,097자 · 312화면
二十一
寺の境にひょろ長い榛の林があって、その向こうの野の黄いろく熟した稲には、夕日が一しきり明るくさした。鴻の巣に通う県道には、薄暮に近く、空車の通る音がガラガラといつも高く聞こえる。そのころ機動演習にやって来た歩兵の群れや砲車の列や騎馬の列がぞろぞろと通った。林の角に歩兵が散兵線を布いていると思うと、バリバリと小銃の音が凄まじく聞こえる。寺でも、庫裡と本堂に兵士が七八人も来て泊まった。裏の林には馬が二三十頭もつながれて、それに飲ませる水を入れた四斗桶がいくつとなく本堂の前の庭に並べられる。サアベルの音、靴の音、馬のいななく声、にわかにあたりは騒々しくなった。夜は町の豪家の門に何中隊本部と書いた寒冷紗の布が白く闇に見えて、士官や曹長が剣を鳴らして出たりはいったりした。
それが一日二日で通過してしまうと、町はしんとしてもとの静謐にかえった。清三は二三日前の土曜日に例のごとく行田に行ったが、帰って来て、日記に、「母はつとめて言はねど、父君のさてはなんとか働きたまはば、わが一家は平和ならましを。この思ひ、いつも帰行の時に思ひ浮かばざることなし」と書いた。怠けがちに日を送って、母親にのみ苦労をかける父親がかれにははがゆくってしかたがなかった。