후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
中村 清太郎의 ある偃松の独白(あるはいまつのどくはく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,905자 · 262화면
私はその後、土地の若い人にも年寄りにも、男からも女からも、同じような話を幾度か聞いたが、その際みな言い合わせたように、懐かしげに眼を輝かせたのを忘れない。それでこの爺さんへの信頼が一朝一夕のものでなく、口から口というより、血から血へ伝わった根深いもので、しかも現在もその働きを止めていない、この郷土の活きた指針であり、それ以上山と人との絆の結び目とも言いたいほどのものであるのを感じた。私は思いもかけず授かった会心の山土産として、この話を抱き帰ったのである。
まことに、待ちわびた春を迎えて立ちあがる山民たちは、希望が胸にあふれる一方、厳しい風土に托する作運の第一歩を思えば、そぞろ何かに祈り、何かに頼らずには居られまい。つまり高い所からの啓示とか、許容とか、あるいは号令とかいうものを希がう、いじらしい心もちがあるにちがいない。もとより作物の成就豊穣を神に祈り、辛苦の収穫を神に供えてその恩徳を謝するのは、あえてここの農民に限らぬ。しかしかかる荒い天然のふところで(一万余尺の大火山の直下、三千尺の高距に位する山村)、況んやそれが祖先草創の時代においては、その切なること、思い半ばにすぎるものがあろう。