후리가나로 읽는 일본 고전
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
中村 清太郎의 ある偃松の独白(あるはいまつのどくはく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,905자 · 262화면
う。祖父ガ岳が割あい広い、人口の密な平野に臨んでいるのに比べて、ここでは東麓の村々、それも三岳村の黒沢以上、二、三の小部落が主で、外には王滝村の一部恐らく崩越の奥あたり、それにせいぜい開田村の一隅くらいに限られるであろう(開田は私はまだ歩いていないので、この方面に行かれる方は注意していただきたいと思う)。木曾川の東岸になると、見えても距離が遠いので、力の点で如何であろうか。結局この爺さんは、広く名声を博する代りに、人知れず壺中の天地を深く愛しはぐくんだのであろう。
いずれにしても、この口碑の中心が、黒沢口最奥の山村たる屋敷野であることは、方角や距離の点からも、ほぼ間違いはなく、その発祥の地もおそらくここか、でなければ一段下の羽入あたりではあるまいか。黒沢鎮座の御岳神社里宮(祭神大己貴命)は、延長三年(今を距ること一千十八年)の創建と聞えている。その頃わが祖先は、果してどの辺まで入り込んでいたであろうか。とにかく「爺さん」の誕生も、かくて杳窕たる時の霞の奥にあることが想像されるのである。
その屋敷野(海抜千余メートル)からは、実に御岳東面(この山の表側と見なされる)のほとんど全貌が仰がれ、南は三笠山から北は継子岳にわたり、蜿蜒一連の山脈の勢いをなしている。