후리가나로 읽는 일본 고전
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
中村 清太郎의 ある偃松の独白(あるはいまつのどくはく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 132,905자 · 262화면
これは黒部谷に数ある無人の温泉――日となく夜となく、冥暗の地下深くから、湧いては流れ、湧いては流れるままにまかせてある、貴い、不思議な温泉の一つである。そしてそれらの中でも、千七百メートルという高処にあって、地図で摸索しても、ちょっと想像がつかない。しかし古くから、近隣には聞えた名湯であったという事だ。立山々麓や黒部の猟師たちの話では、元は遠近から浴客が、山を越え谷を伝って訪ねて来たものだそうで、ある時などは、片貝谷の島尻という村の某々らが、椈倉谷からこの小黒部へ越える、立派な山道をひらいて、牛なども通い、温泉には宿屋が建って、石畳みの浴槽までできていたほどだという。もっとも、それは間もなく放棄されて、その後はまったく廃滅に帰してしまったとの事だ。所がら、まことに、さもありそうな話である。そして現在では、又そのかみの原始の姿にかえっているという――その仙人ノ湯!
その名を聞いただけで、心を動かされるものがある。由来を聞き、地図を按じて、いよいよ引きつけられる。大蓮華から遠望するに及んで、私はすぐにも飛んで行きたい気がした。その時、助七に指さされてみると、黒部の大峡谷を隔てて、金字にそばだつ劔岳の直下、仙人谷源頭の雪を残すあたりに、少しく赭岩の露出するところ、かすかな白いものが眼に入った。