후리가나로 읽는 일본 고전
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
佐々木 邦의 ぐうたら道中記(ぐうたらどうちゅうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 164,113자 · 332화면
と首を伸していた三輪さんがお父さんの方へ手を伸すと、
「おや、三輪君のカフス釦も虎だね」
と団さんが袖を捉えた。
「成程ね。しかし妙だな。僕は何時こんなものを買って貰ったんだろう?」
と当人は無論覚えがない。
「此奴も奇抜な意匠だ。左右少し面相の異っているのは牝牡の積りなんだろう。君、用心し給え。掏摸がいるぜ」
とお父さんが笑いながら言った。三輪さんは本気にしてポケットの蟇口を探って見た。
「ピンだのカフス釦だのを掏り替えられて知らないでいれば後生は好い」
と団さんは他人のことだと思って嬉しがっている。
ところで僕の前の坊ちゃんは到頭本泣きになった。お母さんは真赤になって賺しているが、手に負えない。此方の推察が悪いものだから、尋常では通じないと思って、
「頂戴よう! 彼の虎、頂戴よう!」
と意のあるところを紛れのないように発表し始めた。妹や弟のある僕は、斯ういう光景は迚も坐視し難い。殆ど本能的に立ち上って、一時御用立てる積りで品物を差出した。するとお父さんは、
「坊ちゃん、その虎、上げますよ。もう坊ちゃんのよ。持ってお遊びなさいよ」
と言葉を添えた。坊ちゃんは虎を抱くとすぐ黙ってしまった。