후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
負け試合音無瀬川心中
一
いつか藍暗い夕闇の中に二人は取残されていたのであった。
――と、山海嘯が逆落して来るような人声がして来た。桔梗河原の試合が終ったのであろう、引きも止まぬ群集が、まだ興奮を続けて、罵り騒ぎながら通り過ぎた。
その後から、凄まじい騎馬が砂煙を立って城下へ七、八騎飛んだかと思うと、一隊の武士が悄然と頸垂れ勝ちに跫音も湿って帰って来た。武士達の中には滂沱の涙を拳で払っている者、面伏せに暗涙をのんでいる者もあった。しかも何事であろう? 七、八人の足軽が白布で被った板の上へ一人の武士を仰向けに寝せて、静々と運んで通るのであった。
「ややッ――」
と伸び上がって見ていた新九郎は、吾を忘れてそこへ走り出した。
負け試合音無瀬川心中
一
山陰の天地を震撼して、丹波丹後二藩の士民を沸騰させた桔梗河原の大試合に、京極藩の大月玄蕃の代試合として現われた稀世の名剣客鐘巻自斎と、福知山方の衆望を担って死を決した春日重蔵――。この二人が勝ちと負けの刹那を現出した時は、どんな悲惨と歓喜の晦明がはっきりと両者を区別して見せたであろう。
しかし後で落着いてみても、その瞬間の手口をあきらかに瞳に映した者はほとんどなかった。