후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
流、甲源一刀流、柳剛流、東軍流、卜伝の遺風など剣の流派は百を数えて余りある時世であったが、鐘巻自斎の剣法は、それらの俗間者流とはまったく趣を異にした天下の秘剣と云ってよいものであった。事実、自斎と同じ剣妙を会得した者は天下に三人よりなかったのである。その三人を富田三家と云って、自斎がその一人であるのは云うまでもない。
しかし、この剣法の淵源は、必ずしも自斎の独創ではなかった。美濃の奇傑斎藤義龍の外妾の子五郎左衛門、世を忍ぶ名を富田勢源と云った世すね人が、宇宙の大理から感応自得して工夫を積んだ秘術で、生涯に自斎のほか二人の弟子より以外に剣の話も交じえたことのない人物であった。その開祖の富田勢源は、その後忽然と住み馴れた美濃の住居を捨てて姿を消してしまった。ある者は死んだと云い、ある者は深山に入って剣法以上の仙術を会得する為に行をしているとも噂した。とにかく、今では富田勢源の死生は深い謎になっている。
けれども、鐘巻自斎は師の勢源が、この世を去ったものとは決して信じなかった。そして彼は四十の年を越えた頃に、ある剣法の疑問に行当り、その解決を得なければ、真に欠点のない名人とは云われない一箇所の弱点が自分にあることを発見した。