일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

敬一はすぐ梅津商店へ出るようになった。すると、代表社員だった叔父はあたふたと店から身を退いてしまった。「資本を喰込んで配当するなんて、随分勝手なやり方じゃないか」と敬一は従兄に対って、古い帳簿を問いただしたりした。嫁のことで母と云い争っていることもあった。借家の家賃値上も断行した。……そういう敬一のやり方を静三は皮肉な気持で傍観するのであった。だが、敬一の方でも静三の存在がひどく気に喰わず、いつもいらいらしていた。同じ屋根の下で病気の静三と年寄の母と新婚の兄と嫁と、こうした取組のもとに陰気な日はつづいた。彼はまた殆ど誰とも口をきくことがなく、自分の病気を観察したり、文学書を読耽けった。弟の修造は東京へ遊学に出ていたが、休暇で戻って来ても、この青年の口にすることはただニヒリスチックであった。

その薄暗い部屋は北庭に面していて、いつも冷やりした空気を湛えていた。父が死んだのもそこであったが、静三はどうかすると自分がこの儘ここで廃人になってしまうのではないかと思った。ついこの間まで元気だった従兄の良一が彼と同じような病気で、若い細君を残して急にポックリ死んでいた。