일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

吉川 英治의 大岡越前(おおおかえちぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 218,436자 · 437화면

아오조라 문고

そして、市十郎が、そッとその中へ交じっても、誰も、邪視する者はなく、側の者は、膝をゆずった。

「なあ、お上人さま。みんなの腹の虫が、ぐウぐウ鳴ってるぜ。待ち遠いなア」

ひとりがいった。

浮浪者たちから、お上人さまと呼ばれている者こそ、幟旗に書いてある同苦坊という僧侶であろう。

同苦坊は、もう十年以上も、毎年の正月には、この深川八幡の境内を初め、市中の諸所で、大施粥を行って来た。それがすむと、江戸から姿が見えなくなり、盆になるとまた全市の浮浪者へ、粥や薬を施して、どこへ帰るのか、ふたたび江戸にいなくなった。

年々十余年間も、それが続いているので、浮浪者たちは、彼に、慈父のごとく親しみ、彼のすがたを見ることを、盆正月の楽しみとしていた。

――が、同苦坊は、あべこべに、去年見た者を、また見ることを悲しんだ。五年経ッても、七年経ッても、なお大焚火の集まりに見る顔を、特に嘆いて、意見したり、励ましたり、甦生の道を共に考えてやったりした。

「辰が、阿呆いッてら。ぐウぐウ鳴ってるのは、腹の虫じゃあねえわ。大釜の粥が、煮え出して来た音だによ。なあ、お上人さま」

「そんなこた、おらだッて知ってらい。