후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
吉川 英治의 大岡越前(おおおかえちぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 218,436자 · 437화면
「あいや、その鉄鉢では、召上りにくい。御遠慮なく、こちらの器でお上がりなされい」
と、僧侶のいんぎんな礼を見たので、つい彼も、武家ことばが出て、べつな器へ、粥を入れて、さし出した。
――すると、その若僧は、手も出さずに、何か、凝然として、かすかな顫えを全身に走らせたと思うと、ふいに、網代笠の内からさけんだ。
「弟ッ。これっ、市十郎」
「げっ?」
「兄の主殿だ。きょうは、逃がさぬぞ」
あッ――と、市十郎は、粥の茶碗を地へ落した。そして、つかまれた手頸の手を、必死にもぎ離そうとした。逃げるつもりどころか、会いたさに、市十郎こそ、兄の屋敷附近をうろついたり、探し求めていた程なのに――咄嗟の心理は、彼をして無意識に、兄の手を、突き退けて、だッと逃げる姿勢をとらせたのだった。
「お、おのれ」
主殿は、よろめいた。片脚の怪我が癒えていない。
もし、そのままだったら、心ならずも、市十郎は姿を消し、主殿もその脚では、追いきれなかったろうが、幸いにも、途端に、同苦坊の腕が、ぱッと、市十郎の襟がみをつかみ戻していた。
「御僧は、この者の、お兄上か」
「左様でござりまする」
「これ、市十郎とやら。