후리가나로 읽는 일본 고전
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
吉川 英治의 大岡越前(おおおかえちぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 218,436자 · 437화면
お燕は、成人するほど、父恋しさを、意識に育て、お袖は、年経つほど、その父を、うらみの鑿で心に彫りあげていた。
だが、その父なる人間が、遠い地方で、田舎奉行をしているとか聞いていたうちは、まだ、かの女の胸の火は灰のうちにあった。――それが、去年、江戸南町奉行の任について、大岡越前守忠相として、市中の警政にのぞむと知ってからは、男の虚偽に、宿年のうらみをも併せて、朝に夕に、忘れるという間もない呪いに燃えた。
(ふん、いくら裃をつけて、偉そうに、君子ぶッても、わたしはちゃんと知っている。あんな男、嘘のかたまりだ。偽せるのが上手なけだものだ。――わたし達のまわりにいる連中のほうが、いくら正直者か知れやしない。それを、お奉行面して、わたし達を悪党として捕まえるなら捕まえてみるがいい。生命かぎり、悪いことして、手古ずらしてみせてやる)
ともかく、悪の巣の中に生きているかの女は、むかしの市十郎から、あたかも、挑戦をうけたように思ったのだ。
(大岡越前なんて名は、嘲いぐさの泥まみれになるまで、こっちも、生きとおして、闘ってやる。――そして、さいごに捕まって、南の白洲へひき出されたら、それこそ、一生涯のうらみをいっていいぬいてやろう。