후리가나로 읽는 일본 고전
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
吉川 英治의 大岡越前(おおおかえちぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 218,436자 · 437화면
余す元兇
仮吟味の時も、その後一、二回の本白洲の折も、奉行の席に向かって、毒舌、嘲罵、揶揄、あらゆる狂態と唾を以て、食ッて懸ったものだった。
――が、越前守は、あくまで、かれの飽悪の餌に、自己を与えきった。大慈悲を以て、かれのひねくれた快感に充分なる満足をさせてやった。すると三、四回目の白洲には、大亀はもう意気地もなく、
「於市、すまねえ。おらあ考えた。もう何もいわねえ……。火あぶりにでも、獄門にでもして、おめえも、存分、おれに恨みをはらしてくれ」
と、いい出した。
きょう五回目の白洲は、越前守から、むかし、かれの父大岡五郎左衛門忠英が、幕府番頭の高力伊予守を、その私邸で刃傷した事情について、大亀の記憶している限りの証言を求めた。
大亀は、知っている限りの事を、素直に述べた。
この事件も、五代綱吉時代の、腐敗政治の裏面につつまれた佞吏と正吏との衝突に他ならなかった。正吏大岡五郎左衛門の一徹が、佞吏の誹謗と圧迫にやぶれて、遂に、相手を斬った事件だったのである。
しかし、当時にあっては、勘定奉行の荻原近江守や柳沢一門の権勢に蔽われて、佞吏派は極力、事実を歪曲し、五郎左衛門の家は断絶、大岡十家はのこらず閉門禁足の久しい厄に封じ込まれて、事件は過去へと忘れられていた。