후리가나로 읽는 일본 고전
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
吉川 英治의 大岡越前(おおおかえちぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 218,436자 · 437화면
たしかにそれだ。――だが、市十郎もこんどは阿能のウラをかいた。やがて駕籠の灯がとまった荒れ屋敷の門を見届け、そこの崩れた土塀の横に身をひそめていた。そして阿能が中へ入ったのを見すましてから、彼も、土塀をとび越えた。
中は広い。すくなくも千石以上の家らしいが、無住の山寺といっていい程な荒れかただ。戸締まりなどはまるでありそうもない。――市十郎は易々と屋内に入っていた。
どこの部屋からも、明り一つささないが、家の中央の広間からは、晃々と灯影が洩れていた。そればかりでなく、一種異様な人間臭さがむうと、そこから温くながれてくる。
「オヤ。……ここは」
細目に開いていた杉戸の隙からのぞきこんで、市十郎は怪しみにとらわれた。そしてすぐ、こんな所に、お袖がいるだろうかと危ぶんだ。
すさまじい博奕場の光景が、彼の眼に映っていた。旗本くずれ、雑多な武家ごろ、医者風、旦那てい、坊主、女など――円座を作って、なぐさみごとに、血眼を闘わせている。だが、その幾人かの女のうちには、お袖は見えない。見覚えのある顔は、今しがた、ここへ入った阿能十ひとりだけである。
阿能は、この群れの中でも、もっとも傲岸に見える男のそばへ寄って、勝負をのぞきこんでいた。