후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,314자 · 398화면
兵馬がそれとは知らずに机竜之助と竹刀を合せてから、ほぼ一カ月余りのことで、夏の日盛りを御徒町の道場から牛込のある友人のもとへ試合に行こうと、空模様が険呑であったのに、道具を肩にして出かけると、はたして御成街道から五軒町の裏を妻恋坂にのぼりかけた時分に、夕立の空からポツリポツリ。
どこか雨宿りをと坂を上りつめた時分には、一天墨の如く、ガラス玉のようなのが矢を射るように落ちて来ます。
「ここで暫しの雨やどり」
兵馬は、とある家の門側に彳み、空をながめて、雲の走り去り雨の降りおわるのを待っていると、やがて盆を覆す勢いで風雨が殺到して来ました。
「婆や、早く二階を締めて下さい」
この家の中で若い女の声。
「お松様、引窓の紐が切れてしまいました」
これは婆さんの声。
「それは困ったね、ではわたしが二階を締めるから」
こういって若い女は、あわてて二階へ走せ上って、かいがいしく雨戸を繰りはじめましたが、兵馬はなにげなく二階を見上げますと、いま戸を立てた女は、最後の一枚を残してそこから驟雨の空と往来とを見ていましたのと、ちょうど両方の間が斜めに向って、見上げても見下ろしても、ぜひ眼のぶっつかる地位でありました。