후리가나로 읽는 일본 고전
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
福田 英子의 妾の半生涯(わらわのはんせいがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 64,051자 · 122화면
三 大阪護送
三 大阪護送
警察署にての訊問果てし後、大阪に護送せらるることとなり、夜の八、九時頃にやありけん、珠数繋ぎにて警察の門を出でたり。迅きようにても女の足の後れがちにて、途中は左右の腰縄に引き摺られつつ、辛うじて波止場に到り、それより船に移し入れらる。巡査の護衛せるを見て、乗客は胆をつぶしたらんが如く、眼を円らにして、殊に女の身の妾を視る。良心に恥ずる所なしとはいいながら、何とやら、面伏せにて同志とすら言葉を交すべき勇気も失せ、穴へも入りたかりし一昼夜を過ぎて、漸く神戸に着く。例の如く諸所の旅舎より番頭小僧ども乗り込み来りて、「ヘイ蓬莱屋で御座い、ヘイ西村で御座い」と呼びつつ、手に手に屋号の提燈をひらめかし、われらに向かいて頻りに宿泊を勧めたるが、ふと巡査の護衛するを見、また腰縄のつけるに一驚を喫して、あきれ顔に口を噤めるも可笑しく、かつは世の人の心の様も見え透きて、言うばかりなく浅まし。
その夜は大阪府警察署の拘留場に入りたるに、船中の疲労やら、心痛やらにて心地悪しく、最とど苦悶を感じおりしに、妾を護衛せる巡査は両人にて、一人は五十未満、他は二十五、六歳ばかりなるが、いと気の毒がり、女なればとて特に拘留所を設け、其処に入れて懇ろに介抱しくれたり。