후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
いつのことだったか、雨が降りそうな日に、私と私の細君とが公設市場の近くまで来た時、理髪屋の前で細君が転んだ、高い歯の下駄を履いていたのだ。私はその瞬間に大勢の人と散髪屋が笑っているのを見たので、私はさっさと歩いてしまったものだ。起き上って私に追いついた細君は、もうその薄情さには呆れたといってぶうぶういった。といっておお可哀そうに、などいって抱き上げることは、私の潜在せる大和魂という奴がどうしても承知してくれないのだ。
その大和魂の存在がよほど口惜しかったと見えて、東京のNさん夫婦がその後遊びに来た時、細君同士は男子の薄情について語り合った末、その一例として妻は公設市場で転んだ件を話して同情を求めたところ、N夫人は、私の方はもっとひどいのよといった。それは過日市電のすぐ前で雨の日に転んだというのだ。電車は急停車したが、それを見た亭主は、十間ばかり向うへ逃げ出したそうだ。命に関する出来事であるにかかわらず逃げるとは如何なもので御座いましょうといった。御亭主は、それはあなたと、もじもじしているので私はそれがその、我々の大和魂の現れで、かの弁慶でさえも、この点では上使の段で、鳴く蝉よりも何んとかいって悩んでいる訳なんだからといって、すでに錆かかっている大和魂へ我々亭主はしきりに光沢布巾をかけるのであった。