후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
白光と毒素
白光と毒素
女給はクリーム入れましょうかとたずねる。どろどろの珈琲が飲みたい日は入れてくれというし、甘ったるいすべてが厭な日はいらないといって断る。考えてみるにどろどろしたクリームを要求する日は元気で心も善良で、どうかすると少しおめでたいけれども、砂糖もなきにがい珈琲を好く日はどうも少し心がひん曲っていることが多いようである。
人間もだんだんどろどろしたものが厭になり、何事もケチがつけてみたくなり、何事にも賛成できなくなり、飛びつく食欲を覚えず、女人の顔を真正面から厚かましく眺めるような年配となってくることは淋しいことだ。
やはり人間はカツレツと甘い珈琲が好きで、なかば霞んでいる方がかわい気はある。あまりに冴えた女性はどうも男達からの評判はよろしくないことが多い。
私自身も近ごろだんだん霞の煙幕の向こう側が意地悪く見えすいて来たりして、なるほどこれかと思い当たるようになって来たことは気の毒だ。でも老人がいつまでも甘ったるくても迷惑なことである。私などは近頃、ついうっかりと美人の鼻の穴の黒き汚れや皺の数とその方向に見惚れたり、その皺によって運勢までも観破しかねまじき眼光の輝きをわれながら感じて来た。