일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면

아오조라 문고

大体において、阪神地方のみに限らず、全関西を通じて気候は関東よりも熱帯的である。従って、あらゆる風景には常にわけのわからない温気が漂うていることを私は感じる。

この温気というものは、何も暑くて堪らないという暑気のことをいうのではない、その温気のため寒暖計が何度上るというわけのものでもないところの、ただ人間の心を妙にだるくさせるところの、多少とも阿呆にするかも知れないところの温気なのである。

私は、大阪市の真中に生れたがために、この温気を十分に吸いつくし、この温気なしでは生活が淋しくてやり切れないまでに中毒してしまっている。しかし、かなり鼻について困ってもいる。そしてよほど阿呆にされている。時に何かの用件によって上京する時、汽車が箱根のトンネルを東へ抜けてしまうと、それが春であろうと夏であろうにかかわらず、初秋の冷気を心の底に感じて心が引締るのを覚える。勿論その辺から温気そのものの如き大阪弁が姿を消して行くだけでも、大層、心すがすがしい気がするのである。私はこの温気のない世界をいかに羨むことか知れない。

或年の夏の末、私の友人が私を吉祥寺方面へ誘った、そして私の仕事の便宜上、その辺で住めばいいだろうといって地所や家を共に見てあるいたことがあった。