후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
そんなわけで、私は彼女を台所の諸道具類と別段の区別もつけてもいなかった。火鉢と天窓と水道と雑巾と彼女であった。
ところがいつからともなく彼女は、私の両親や人のいない時に限って私の前へいやに立って見せるようになって来た。初めのうちは何のことかわからなかったが、あまりたびたび立って笑いをさえ含むので、何となく不気味でうるさくなって来た。そしてだんだんうすぼんやりとそのわけが判って来た。わけが判って来ると堪らなく嫌になって来た。
とうとう私は我慢が出来ないので、母に訴えた。どうもAがつきまとって堪らない。裏へ行くと裏へ来る、表へ行けば表へ来る、二階へ上がれば二階へ現れる、そしてにやにやと笑って困るから何とか一つ叱ってくれと注文した。母も半分は笑いながらもちょっと驚いた風で、早速世話をしたところのAの姉を呼んで話した。
まあ、あの子が、そんな阿呆なことをしますのんか、まあそうでっか、一ぺん叱ってやりますといった。
それからAはあまり私の前へ立たなくなったけれども、ときどき私を見るその眼が以前よりも物凄くなってしまった。
彼女の実家というのは大阪近在のある貧乏寺だった。