후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
秋の顔
これはいけないと自らを戒めているが、心の底のむすび目が多少ゆるんでいるような気がするのである。
(「みづゑ」昭和二年八月)
秋の顔
秋になって、私は人間の顔が紅葉したのを見たことはない。しかし木の葉が凋落する如くわれわれの毛髪は多少脱落はするようである。ことに貧弱ながらも生きている私などは夏から秋へのつぎ目の季節を嫌に思う。折角大切にしていた皮膚の脂気と、貧しくもめぐっていた私の血液が、腹の奥底へどんどんと逃げ去って行く心地がする。何か冷気を含む秋の風は下腹をしくしくと悩ます。ことに時雨と木枯しは情ない。
しかしながら、健康で大丈夫な他人は秋風によって食慾を増し、馬も、人も、女も、肥太るという話である。羨むべきことである。
最近十日あまり私は上京していて、帰ってみて驚いたことには、私の大切にしていた銀が(銀は真白な猫である)今までは夏痩して細長くて、猫として禁物の瓜実顔であったものが、たった十日あまりの不在の間にその重さを著しく加え、顔はまるまるとした丸ぼちゃ型に変化してしまっていたことであった。
してみると、秋のきざしが、ほのかに現れただけで、猫は丸ぼちゃとなり、私の血は腹の中へもぐり込み、血の気を失うことは確かである。