일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면

아오조라 문고

であるのに、人間は、永久に縛られていたいものである。あまり永く先祖伝来の何物かで縛りつづけられて来たわれわれは、さア思う存分の自由を与えてやるから足を延ばせといわれても逆に不安を感じ水に溺れんとするものが、何物か例えば棒切れや藁屑でさえも握りしめるといった風に、面喰って手近の何物かにしがみつくものである。

昔は一人の親方、先生、師匠に一生を捧げたが、今は一人の先生を離れて明るい世界へ泳ぎ出した。ところで自由な波を一人明らかに乗り切る天才は地球上のあらゆる画家を知らぬ間に自分一人にしがみつかせている事になったりする。

セザンヌという人は知らぬ間にどれだけ多くの弟子を集めたか、昔の弟子は師弟の関係は重大なる関係だったが今は知らぬ間に大勢の親分であり、知らぬ間に親分はまた捨てられてもいたりする。

近代の科学は地球を縮めてしまったが故に、一人の天才の仕事は直ちに全世界に紹介されやすく、同時に世界の画家が自由に師と定め、また師を去り次の天才へ走るという事も近代の出来事である。ともかくも弱きものが強きものにしがみつく事は、やむをえないけれども、あらゆるものを速かに卒業して、自分自身の力によって泳ぎ得るものが近代の技法を感得するものだろう。