후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
その友人の友人という金持ちらしい紳士はマントのカワウソの襟から脂切った顔を出しているといったふうの人が多いのだ。そして私の友人はこの人は絵を描かれる人でとか、絵描きさんでとかいって紹介するのだ。私は慄と悪寒を感じるのだ、私に忍術の心得があったら、こんな場合、ドロンといって消滅してしまうところなのだが、松之助でないから駄目だ。
かくしておめおめと紹介されてしまうや否や、相手の脂肪でむくんだその顔面には、何ともいえない奇妙な表情が漲るのだ。例えば、これは弱ったといったふうな、見下げたような、自己を護ろうとするような、要するにきわめて不潔にして下等な表情なのだ。そして極力自分は芸術に対しては無関係であって無理解で無趣味だということを説明して話をそらしてしまうのである。
私は今までに幾度となくこの種の表情を見た。以来私は非常に芸術に無関係らしいところの、相当の年輩の紳士に紹介されることを怖れるようになった。もう止してくれ、止してくれ、と心で叫んでいるうちに、何も知らない私の友人は手早く紹介してしまうのである。そしてあの嫌な表情に出会うのだ。潔癖で強情で神経の尖った絵描きはこの顔を見て山へ隠れてしまいたくなるのだ。