후리가나로 읽는 일본 고전
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
その二、三日前にわたくしが独房にこの男をおとずれますと、もうすっかり覚悟しているらしく、彼はやっとつくったという辞世の句を満足そうにわたくしに見せました。「死ぬる身を弥陀にまかせて書見かな」――彼はこの句が後世に残ることを信じていたようでございます。それからいろいろと故郷に残した妻子のはなしなぞをいたし、子供のころのおもいでの楽しさをこまごまとはなしてから、すっかり心が軽くなったと言っておりましたが、しかしいよいよ当日になって典獄の部屋へよびだされると、どうしたものか一口も物を言わず、羊羹と蜜柑とを手あたり次第に腹一ぱいむしゃむしゃとたべてしまうと、急にわたくしの方を向いて、「先日の辞世の句は「死ぬる身」というのを「消ゆる身」とあらためたい」と申しました。そう言ったと思うとだしぬけに立ちあがって、
消ゆる身を弥陀にまかせて書見かな
と、自分の心をけしかけるようにふしをつけて口ずさみながら、別室の扉の前までくると、ぎくっと身体をふるわせて、いかにも恐怖におそわれたというかんじであやうくうしろへ倒れそうになるところをやっとうしろにいたわたくしの手で支えました。