후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
闇の中に人間の模型のような四本の手足が、ちょうど裸体の人間を見るようにぺったりと滑かな岩の面にへばりついている。
そのとき、一匹の河鹿が、岩角にしゃがんだと思うと流れの方に頭を向けて、美しい声で鳴きはじめた。すると、また一匹、また一匹、といった風に、岩をめぐって澄みとおった鳴き声が川波の音を潜ってひびいてきた。それは何か異常な衝動に唆しかけられているもののように彼の耳に迫ってきた。その鳴声は彼の心に生々しい性慾を喚び起した。彼は力無く蒲団の上にぐったりと横わっている妻の姿を想像した。妙な、不愉快な感情が彼の胸をかすめた。彼が慌てて立ち上ろうとしたとき遠い川岸から一斉に河鹿の鳴き声がむらがるように起ってきた。――その鳴き声は流れとともに近づいてきた。一匹の河鹿が岩角に縋りつきするすると巧みな腰つきで上に這いあがった。つづいて、もう一匹もう一匹と、転ろがるように咽喉を鳴らしながらのぼってくる。――最初の一匹が、前にいた河鹿に近づいて、うしろから、ひょいと胴体にとびついた。とびつくと、そのまま両足をだらりと下へのばした。鳴き声の調子が急に変った。と、見る間に二つ折り重ったままじりじりと岩をすべりおりた。