일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면

아오조라 문고

――人の世のつね。百姓たちの見る目も恥ずかしいぞよ」

勝頼は、励まし励まし、遅れがちな駕籠や輿に入り混じって、東へ東へ、逃げのびた。

小山田信茂が城を恃んで、甲府の旧館もよそに見ながら、山へ山へと、めざして行くのである。その間にも、輿を担う凡下は姿を消し、荷を持つ小者や駕籠の者も次々に逃げ去り、いつか人数は半分に、またその半分に減ってしまった。

勝沼辺の山中へ来たときは、二百人ほどの総勢のうち、騎乗の武者は、勝頼父子を入れても、わずか二十騎足らずという、あわれな変り方を見せていた。

しかも、ここまで唯一の恃みとして来た小山田信茂は、勝頼主従が駒飼の山村にまで辿り着くと、急に変心して、

「ほかへお立ち退き候え」

と、笹子の嶺道を切り塞ぎ、勝頼らの来るのを拒んだ。

勝頼父子をはじめ、一同ははたと当惑した。ぜひなく道をかえて、田子という部落まで遁れてゆく。ここは天目山の山裾という。春は撩乱だが、見はるかす限りの野も山も今わの慰めにもならなければ頼みともならなかった。そして今はわずか、四十四、五人となり果てた末路の人々は、途方に暮れている勝頼ひとりをなお杖とも柱とも恃んで、ひと所に寄り添うたまま、茫然と、吹く山風の中に佇み合った。