일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,903자 · 400화면

아오조라 문고

何のため日頃、茶道などに心入れしているかともいわれては、茶人の名折れともふと思った。

そこまで、駈けて来たのは、ゆうべ深更まで信長と語り合っていた茶席の広間へ行こうとしたのであるが、そのときまでは、ただそこに置いてある自分の道具のひとつが惜しかった心理に過ぎなかった。けれどこう意識してから後は、正しくべつな理由をもって、彼はそこの座敷へ入っていた。

近くの廻廊では、戦っているし、ふた間ほど先の部屋まで火は移っていた。それをよそにして彼は床の間の前へ立った。信長の乞いに委せて遠く博多から携えて来て鑑賞に供えた家伝来の幅、牧谿の遠浦帰帆之図は、たちこめる煙の中にも、名画の気品をすこしも譟がしてはいなかった。

これを失うことは自己の一財を失うというような小さなものではなく、ふたたび生るるなき名画と国の宝を失うものである。宗湛は慥とそう意志しながら静かに壁間の懸物を外して巻き、箱にまで納めて、それを小脇に持った。

人心地もないかの如く、先を争って遁れ出て行く寺僧の群れも見たが、彼にはどことなく何も危険はないという信念があった。――で、悠々と、明智衆の剣槍を掻きわけて、惣門の外へ通ってしまったのであったが、彼の確信に過りなく、何の危難にも遭わず、ひとりの武者にも咎められなかった。