후리가나로 읽는 일본 고전
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,678자 · 394화면
太郎左衛門はそれがいじらしかった。
「そんな遠慮は入らない、十日でも二十日でも、お乳母さんの体が好くなるまでいなさるが宜い」
「お助けにあずかります」
壮い女は江州坂本の者であった。父が都の戦乱に死んで家が傾きかけたところで、母がまた亡くなり、家財は悪人の家の子に奪われてしまったので、しかたなく母の妹の縁づいている処を尋ねて往くところであると云った。先方はそこからまた十里もある土地であった。
乳母の持病は思いのほかに長引いて、十日ばかりしてやっと収まることは収まったが、体が衰弱しているので寝床を離れることができなかった。太郎左衛門はその室へ出入して、二人の者を労っていたが、その目前には壮い白い顔が浮ぶようになっていた。太郎左衛門は四十を後にした分別盛の男であったが、彼はその幻をどうすることもできなかった。
ぼたぼたと降る雨が朝早くから降りだして、それが夜に入っても降っている暖かな晩であった。太郎左衛門は寝床からそっと起きあがって、枕頭に点した有明の行燈を吹き消し、次の室に眠っている女房に知れないようにと、そろそろと室を出て暗い縁側を通って往った。
女客のいる室の障子をそっと開けて入った。