후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
と女は彼をゆりたてた。女の躯はずっしりと重く、力も強かった。新八はよろめき、女は彼を押倒した。
それから刻が経ち、女は眠っていた。片腕で彼を抱き、片腕と片方の足は夜具の外へ投げだし、そうして、掛け夜具も胸まではいでいた。
新八は眠れなかった。あんまり恥ずかしくって、灯を消さずにはいられなかった。そう云った女の言葉が、錆びた針でも刺しこまれたように、頭の芯で、するどく、ざらざらと痛んだ。おみやのためだ。新八は顔を歪めた。おみやが彼をそんなふうに仕込んだのである。彼はおみやに仕込まれ、それに慣れ、慣れたことからぬけだすことができなくなった。与えられた習慣は彼をとらえ、いまでは抵抗しがたい衝動となって、内部から彼を押えつけ、支配する。どんなに苦しんでも、もがいても、いちどその衝動が起こると、それにうち勝つことはできないのであった。
材木町にいたじぶんは、隣りのお久米に負かされた。かこい者のお久米は、おみやと新八との仲を知っていて、おみやが屋敷奉公にあがったあと、すぐに新八を手なずけてしまった。
「――あのころからだ」と新八は呟いた。
すると女が、鼻声で軽く呻き、彼を抱いている腕が、痙攣するように彼を緊めつけた。