후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
ながれの中
甲斐が来たのは久しぶりだったし、芸人たちを呼んだのも久しぶりであった。おくみはからだの違和で寝ていたが、酒宴がはじまるとまもなく、起きだして、甲斐のそばへいって坐った。
おくみは窶れていた。顔色も冴えず、少し痩せて、眼のまわりにしみができていた。おくみは甲斐に酌をしながら、しきりに眼で話しかけたが、甲斐はその眼にはこたえなかった。劬り、包むように微笑するだけで、いつもほど酒もすすまなかった。
酒宴がはじまって、半刻ほどすると、塩沢丹三郎が来た。甲斐は彼を自分の脇へ坐らせ、持っていた盃を彼に与えた。――四月にこの家で、丹三郎のために別宴をひらいた。それから彼は原田家を去って、鬼役にあがり、七カ月になるその夜まで、甲斐に会っていなかった。
「泊る許しが出たか」と甲斐が訊いた。
丹三郎はきちんと坐ったまま、はいと答えた。甲斐は楽にしろと云った。
酒宴は続けられ、男女の芸者たちの、鳴り物や、唄や、踊りなどが、賑やかに、代る代る演じられていった。甲斐はそれらの芸をたのしむというふうでもなく、酒もあまり美味そうではなかった。二度ばかりおくみに「寝なくてもいいのか」