후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
断章(八)
と高い声をあげた。すると返辞が聞えて、辻村又之助が出て来た。又之助は十四歳になる、甲斐の側仕えにあがったが、江戸へは付いてゆかなかった。彼はむっとした顔つきで、焙った鮎の皿と、銚子とを膳の上に置いた。
「もう鮎もこんなに大きくなったのか」と七十郎が云った。
又之助は黙ってひきさがった。どこかの座敷で、新左衛門の激しく咳こむ声がした。七十郎は手酌で飲みながら、その苦しげな咳を聞くまいとするように、首を振り、そして続けさまに盃をかさねた。
咳はまだ聞えていた。
断章(八)
――御家老まで申上げます、お国許より相原助左衛門が使者にのぼりました。
「内膳に会えと申せ、隼人、あとを聞こう」
――次は渡辺七兵衛からの書状でございます。
「七兵衛だと」
――目付役にあげられ、七月に仙台へまいった、渡辺七兵衛にございます。
「わかった、彼には申付けたことがある」
――すばやく致しました。
「なにかみつけたか」
――鉛奉行に不正があると申します。
「聞こう」
――蔵方の記録をしらべましたところ、十五年以前、在庫の鉛六千貫の内、三千貫は払いかた相済み、三千貫は残りものとなっておりますのに、蔵しらべを致しましたら、二千貫の鉛が不足しておるということです。