후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
断章(十)
――申上げます、河野道円が伺候つかまつりました。
「待ちかねた、これへ」
――道円にございます。
「待っていた、寄れ、これへ進め、道円」
――おそれながら。
「寄れと申すのだ、隼人、襖をはらえ」
「道円、あれから五日になるぞ」
――はあ。
「袴着の祝いは十日にあった、今日はすでに十五日だ」
――おそれながら。
「理由を云え、祝いの当日あの件を行うように命じおいた、そうではなかったか」
――うけたまわりました。
「袴着の祝いの当日、あの件をやれと命じておいた、にもかかわらずなにごとも起こらない、当日なにごとも起こらなかったし、今日に至ってもなにごとも起こらない、どういうわけだ、道円、これはどういうわけなのだ」
――おそれながら、私にも合点がまいりません。
「申せ、理由を申してみろ」
――私は手配を致しました。
「云いぬけは許さんぞ」
――私は手配を致しました。
「では、薬が無効だった、と申すのか」
――そうではございません、事前にこころみまして、その効果を慥かめてございます。
「どのように慥かめた」
――犬、猫、鼠に与えましたところ、いずれも同じ症状を発して吐血し、殆んど即死でございました。