일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면

아오조라 문고

それから一刻あまりのち。伊東七十郎と里見十左衛門は、石巻の妓楼で酒を飲んでいた。北上川の川口の西を石巻、東岸を湊町と呼び、その妓楼はうしろが河岸に面していた。

雪はやんだが、風はまだ吹いていた。此処は港市だから、諸郡の館主の屋敷があり、また回船業者たちの店も多い。だが町の家並は小さく、棟は低く、こけら葺きの屋根も、軒や羽目板も、灰色に乾き曝されて、家と家はごたごたと肩を寄せあい、地面にしがみついているようにみえ、いかにも土地の季候の荒いことを示していた。

その席には遊女が二人、新造が三人おり、三人の新造が、七十郎と十左に給仕をしていた。

「ばかなはなしだが、勘ちがいしたんだ」七十郎が苦笑しながら云った、「おれはあの三人が、里見老を追って来たと思った」

「おれを追って来たって」

「首を覘っていると直感した」

「この首をか」

「その首をさ」と七十郎は笑った、「おれを家臣に取立てようとするのと同じ意味で、里見十左衛門を片づけたがっている者がある、思い当らないか」

「うん、ないこともない」

「十左は負けない人間だ、不正不義とみれば相手を選ばず噛みついてゆく、ついさきごろも意見書を配ったろう」