후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
新八は「あ」といった。そんなことをしようとは思いもかけなかったし、向うには黒田という男がいるので、われ知らず声をあげたのであるが、その声に応ずるように、向うから黒田玄四郎が立って来た。
なにもかも聞かれた、ということに気がついたのだろう、左手に刀を持って、つかつかとこっちへ来て、新八を睨んだ。
「なに者だ」と玄四郎が云った。
彼の顔は蒼ざめて硬ばり、大きくみひらいた眼には、殺気が感じられた。おみやはよろめいて、新八に凭れかかるように坐り、背中を新八に支えられながら、黒田玄四郎を見返った。
「そのほう、なに者だ」と玄四郎は云い、左手の刀を脇へひきつけた。
新八はぞっとした。相手は刀を抜きそうである、返辞によっては斬ってしまうという感じが、相手の眼にも身構えにも、はっきりあらわれていた。
「いや、おれが云う」
おみやがなにかやり返そうとしたとき、新八は彼女を抑えて坐り直し、まっすぐに相手を見あげて云った。
「私は湯島の家で御厄介になっている者です」
「――湯島の家」
「原田さんの御隠宅です」
黒田玄四郎は腑におちないという顔つきで、それはどういうことだ、と訊いた。