후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
万右衛門がむっとした顔で七十郎をにらんだ。渡辺七兵衛は歩きだし、七十郎は彼と並んで歩きだした。刀にひっかけてある旅嚢が、七十郎の背中で揺れ、七兵衛の供の万右衛門が、うしろから眉をしかめながら、それをにらんでいた。
「どうせ船迫で泊るんだろう」と七十郎が云った、「宿は柏屋か伊十か」
「船迫で泊るとはきめていない」
「それなら泊ることにきめるさ、柏屋ではうまい酒を出す、おれが案内するよ」
「失礼だが」と七兵衛が七十郎を見た、「そこもとは、たしか」
「伊東七十郎だ、まさか、知らなかったんじゃないだろうな」
「たしか小野どのの」
「さよう、桃生郡小野の館主、伊東新左衛門の義理の弟だ、正確にいえば新左衛門の妻がおれの姉というわけさ、わかったかね」
「私はよく覚えていないのだが」と七兵衛は冷淡に云った、「これまでにどこかで、正式に紹介されたことがあるだろうか」
「そんなことを気にするな」
七兵衛はまた振向いて、七十郎を見た。七十郎はあけっ放しな微笑で、彼に頷いた。
「気にするな、七兵衛」と七十郎は云った、「おれのほうではよく知ってるし、そっちだってまんざら知らないわけではないだろう」