일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면

아오조라 문고

七兵衛の態度やその言葉つきで判断すると、いまにも「これで別れよう」と云いだしそうであった。だがそうはさせないぞ。七十郎はその隙を与えなかった。彼は巧みに話を変え、いま三頭のみごとな黒牛がいったが、見なかったかと云い、その返事を待たずに、ああそうだと、高い声をあげた。

「こんど目付役にあげられたそうだな」と彼は七兵衛を見た、「目付役にあげられて、家禄も四百石あまりに加増されたそうじゃないか、出頭の祝いを述べなくちゃあいけないな、おめでとう」

七兵衛は冷淡に会釈を返した。

――あまい野郎だな。

と七十郎は心のなかで思った。会釈の返しかたは冷淡だが、少なからず得意に感じたことは、その表情に隠しようもなく、あらわれていた。こういう単純さがもっとも危険なんだ。七十郎は続けて饒舌を弄しながら、心のなかであの「暗殺事件」を思い返していた。

万治三年七月十九日夜、伊達家の本邸と浜屋敷とで、四人の者が暗殺された。坂本八郎左衛門、畑与右衛門、渡辺九郎左衛門、宮本又市などで、名目は「上意討」であり、討手のうち明らかにわかっているのは、渡辺金兵衛(小人頭)渡辺七兵衛(同)そして小人の万右衛門の三人であった。