후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
杉戸のあく音で野中が振返り、すぐにあっと眼をみはった。それは石川兵庫介であった。六郎兵衛も野中の声で振返ったが、訝しそうに眼をしかめただけで、すぐには誰だかわからないようであった。
石川は紺染めの帷子、葛布の袴で、右の袖先が肩から斜めに、袴前にはさんであった。ちょっと見ると右だけふところ手をしているようで、腰には脇差だけしか差していなかった。
「おれが相手をしよう、柿崎」と石川は云った、「おれが相手だ、柿崎六郎兵衛、この腕の礼をするぞ」
「きさま、石川だな」六郎兵衛はどなり、そして冷笑した、「見れば片輪になったようだが、それでもまだ懲りないのか」
「そうらしいな」と石川が云った、「まだ乱酔してそんな少年に当りちらすようでは、柿崎六郎兵衛は懲りていないらしい、だがこんどはたぶん懲りるだろう」
「帰れ」と六郎兵衛が顎をしゃくった、「おれは片輪の相手はしない、物乞いなら勝手口から来い」
「いさましいな」
そう云いながら、石川兵庫介は歩いてゆき、木剣の二、三を振りこころみてから、その一本を左手に持って、戻った。
「待て石川、それはいけない」と又五郎が出て来た。
彼は二人のあいだへ割ってはいろうとしたが、それより早く、六郎兵衛が脇へとびのき、兵庫介が「止めるな」