후리가나로 읽는 일본 고전
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 247,361자 · 483화면
ふと軽い眩暈を、夫人は感じた。別段、頭が痛むというのではない。気が遠くなったのでもない。なんだか、あたりが茫っとして庭の芝生に寝転んででもいるような、楽の音や周囲に踊っている人たちが、どこかへ遠のいてゆくような……かと思うと、また急に賑やかに蘇ってくる。腰に廻された御手、軽く握られたお手……別段殿下には、変った御様子もない。相変らずにこやかな笑みを湛えて曲に合わせて見事な弧を描いていらっしゃる。
と、その瞬間、またオーケストラや踊りの波が、遠ざかってゆく。ハテどうしたのかしら? と思った。別段、気分が悪いという感じではないが、もし殿下に粗相でもしてはと、気になった。
「お、どうかなされたか?」
と眼敏く殿下が眼を留めて、囁かれる。
「お顔色が、優れぬように思われるが……」
「ハ、別段に、大したことも……」
その瞬間に、殿下の顔がまた遠のいていった。
「……時々何か、……茫っと、いたしますような……」
「それはいけぬ。今宵は、大分温かい、逆上せられたのかも知れぬ。では、さ、あちらへ抜けてまいろう。少し夜気にでもお当りになったら、よろしかろう」
そして、ワルツの旋回を続けながら、殿下は巧みに踊りの輪を抜けて、次第に出口の方へリードして下さった。