일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

橘 外男의 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 247,361자 · 483화면

아오조라 문고

九

そのひっそりとした夜の静けさを破って、溜池か虎の門方面にまた戦勝の号外屋でも走っているのであろうか、曲りを軋っている電車の響きの間々から遠く躍るような鈴の音が聞えていた。タクシイを拾うつもりでその鈴の音を聞きながら月ばかり白々と冴えている人っ子一人通らぬ永田町の坂を登っていると私の頭からは、太子の俤も今別れた数奇なキャゼリン嬢の姿もみんな消え失せて、この戦争の陰に着々として来るべき日の備えをしている英国の猜疑と暗躍とがしみじみと考えられてきた。我が国民が戦勝に気をよくして眠っているこの深夜、表面は何食わぬ顔をして万籟声なき最中なるに、おそらくは電信機の火花を散らして世界にめぐらした秘密触手を動かしているであろう英国大使館の姿が思わず慄然と想像されてきたのであった。

九

いよいよその翌日、私がシャアと車を英国大使館へ乗り付けた時には、すでに太子は床を離れていられたのであろう。そして太子が大使館の強圧を容れて、留学地を日本から米国へ変更されたことが大使館当局をして意を安んじて私に太子との面会を事なく許させてくれたのであろうか。別段、話に聞いていたような不愉快な印象を与えられることもなくかえってすこぶる慇懃に、大使館本館の応接間に招じ入れられた。