후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
(一)の五
第一、己は小学校に居た時分に、算術が得意であった。先生ですら頭を悩ました複雑な四則応用問題を、己は一分か二分の間にすら/\と解決する程の能力を持って居た。己は実際、空想に耽る傾向さえなかったら、それこそほんとうに立派な政治家にでも実業家にでもなれたのだ。反対に又、官能的快楽に対する慾望さえなかったら、宗教家にでも哲学者にでもなれたか知れない。
(一)の五
こゝまで考を押し詰めて来た時、己は始めて、世の中に「藝術家」―――若しくは詩人と云う職業(?)のある事に心付いた。己のようなテンペラメントを持った人間が、撰ぶべき職業は、「藝術」の方面ではあるまいかと云う事に、いつか知ら行きあたった。
前にも述べたように、己は未だ嘗て、藝術とは如何なる物か、研究をしては居ないのである。己は今、「藝術家と云う職業」と書いたが、果して其れが職業と称し得るや否やも明瞭でない。「藝術とは一体どんな物でしょう?」誰かにこんな質問を試みて、説明を聴きたいとは思うけれど、生憎己の住んで居る社会には、信頼すべき解答を与えてくれそうな人間がない。店のお得意のお客様や、主人夫婦と交際を結んで居る紳士淑女連は、大概商人か藝者か奥様で、いくらか学問があるらしいのは、弁護士と代議士ぐらいなものである。