후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
(二)の四
今日の午後四時から五時までの間、己は全く此の世の物としも思われない夢の国に居た。其れは今考えても、体中が戦慄する程に芳しい、甘い想像の世界であった。大方己以外に、あんな世界を見た人間は沢山居ないだろう。
その出来事と云うのは、己が浅草の「世界館」の、ミッス、メリーの魔術を見に行った時に起こったのだ。己は此の一大事実を、成るべく詳しく記述して置く必要がある。
ちょうど今日の午後の二時頃であった。己が内々浅草行きの機会を窺って居ると、番頭が、「庄どんや、御苦労だが此の書き付けを持って、廣小路の森田屋まで勘定を取りに行って来ておくれ。」
と云った。己は腹の底で「しめた」と思いながら、直に自転車へ乗って、店を飛び出した。
出ると間もなく、己は和泉橋から自働電話をかけて、店の番頭を呼び出した。
「まことに申し訳がありませんが、今途中で女の子に突きあたって、交番へ引っ張られて行くところですから、事に依ると一二時間手間が取れるかも知れません。」
こう断って置いて己は廣小路へ行かずに雷門へ駆けつけた。
(二)の四
メリーの魔術のかゝって居る世界館と云う小屋は、公園の六区の池の傍にある。