후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
(二)の一
」
と、いつでもくよくよ嘆息して居る。どうせ藝術家となれないくらいなら、死んだ方が増しなくらいだ。
(二)の一
己の頭の中に湧き上る想像なり幻影なりは、藝術的には非常に美しいが、どう云うものか道徳的には甚だ不善なものが多い。此れは近頃気が付いた事なのだが、事に依ったら、己は反道徳的の傾向を持つ藝術家若しくはそう云う藝術家になれる筈の人間かも知れない。己が考えるのに、人間の心の奥底には、道徳的の要素が潜むと同じ深さに、非道徳的の要素も潜んで居るに違いない。若しも宇宙に永遠の「善」の精神が存在するなら、一方に於いて、永遠の「悪」の精神も、必ず存在して居るだろう。そうして、人間の中の「善」の魂が輪廻する如く「悪」の魂も輪廻するだろう。
然るに、今日の文明国の人間は「善」を実行に移す事を許されて居ながら、「悪」を実行する事を許されて居ない。「悪」が許されるのは、たゞ想像の世界に於いてのみである。換言すれば「悪」はたゞ藝術に於いてのみ許される。従って、生れつき「悪」の魂の強く燃えて居る人間が、悪人のまゝで、地獄へ墜ちずに天へ昇ろうとするには、どうしても藝術の路を行くより外はない。