후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
己は生れてからまだ一遍も、あんな不思議な、底の知れない愛嬌と魔力と鬼気とを湛えて居る眼球と云う物を見た事がない。なる程人に催眠術を施そうと云う女の、瞳の光は違ったものだ、と己は直に感心した。事に依ったら、己は最初ちらりと彼の女に見られた時に、もう術を施されて居たのかも知れない。
「これから私は、皆さんに催眠術を御覧に入れます。………」
と、彼の女は突然、アクセントの外れた、突拍子もない鋭い声で、明瞭な日本語を囀った。
「私の弟子に三人の黒人が居ります。私は今その弟子を呼び出して、魔術にかけて御覧に入れますが、若しもあなたがたの内で、弟子を信用なさらない方がありましたら、誰方でも御遠慮なく、舞台へ上ってお試し下さる事を望みます。」
彼の女がこんな事をしゃべる間、己は時々恐くなって下を向いた。なぜと云うのに、彼の女の瞳は、いやに己の方ばかりを頻繁に見るような気がしたからである。
「彼処に一人、十六七の小僧が居る。あの小僧なら訳なく魔術にかゝりそうだ。」―――
彼の女が斯う考えながら、己の方をちらちらと睨めて居るように見えたからである。
ピリ、ピリ、と、彼の女が呼子を吹くと、三人のニグロが其処へやって来て、見物席へお辞儀をした。