후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
(二)の十
七人の少年は、己を最後にして、舞台の下手へ一列に並ばせられた。己は此の時の、生れて始めて舞台と云う物へ登った感想を、記録に留めて置きたいと思うのだが、実を云うと何も彼も夢中で、どんな事を考えたり見たりしたか、更にハッキリとした記憶がない。己はたゞ目の眩くようなフット、ライトが、自分の前に炎々と燃えて居て、其の向うに、満場の見物人の無数の顔が、非常に微かに、霞のかゝった空の如くちらちらしたのを覚えて居る。それから、自分の踏んで居る舞台の床が、軽気球のようにフラフラして、何となく自分の足元がうわついて居たのを覚えて居る。
(二)の十
それから先の事は、己には猶更よく分らない。己の頭には、まだブランデエの酔が残って居て、煌々たる舞台の光明を浴びると同時に、それが再び、強く激しく体内に燃えくるめくようであった。その刹那から、己の目の前には、現実の世界が消えてしまって、燦爛たる色彩と、妖艶なる女神と、甘美なる空気との世界ばかりが見えて居た。
何でも己は、メリー嬢の所へ引き出される前に、背景の黒幕の蔭へ呼び込まれて、例の黒ん坊から談判された事を、ぼんやりと記憶して居る。