일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こぞうのゆめ

潤一郎ラビリンスV――少年の王国

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면

아오조라 문고

彼が大好きな歴史学、―――日本支那の東洋史を研究して、行く末は文学博士になってやろうと云うくらいな抱負を持って居た。ところが貝島が二十四の歳に父が亡くなって、その後間もなく妻を娶ってから、だん/\以前の抱負や意気込みが消磨してしまった。彼は第一に女房が可愛くてたまらなかった。その時まで学問に夢中になって、女の事なぞ振り向きもしなかった彼は、新世帯の嬉しさがしみ/″\と感ぜられて来るに従い、多くの平凡人と同じように知らず識らず小成に安んずるようになった。そのうちには子供が生れる、月給も少しは殖えて来る、と云うような訳で、彼はいつしか立身出世の志を全く失ったのである。

総領の娘が生れたのは、彼がC小学校から下谷区のH小学校へ転じた折で、その時の月給は二十圓であった。それから日本橋区のS小学校、赤坂区のT小学校と市内の各所へ転勤して教鞭を執って居た十五年の間に、彼の地位も追い/\に高まって、月俸四十五圓の訓導と云うところまで漕ぎつけた。が、彼の収入よりも、彼の一家の生活費の方が遥かに急激な速力を以て増加する為めに、年々彼の貧窮の度合は甚しくなる一方であった。