후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
徳田 秋声의 現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 327,364자 · 638화면
「そいつあ困ったな。」
当惑しながら庸三は降りて行った。受話機がはずしてあった。
「いないといってくれればいいのに。」
庸三は庸太郎に言った。
「だって……。」
庸太郎のそういう態度は、彼の気弱さだとも思えたが、強さだとも思えた。しかしそれはずっと後のことで、その時の彼の心理は鈍い庸三に解るはずもなかった。
受話機を取ってみると、電話は少し遠かったが、熱っぽい葉子の声はだんだんはっきりして来た。かんかんに怒ってでもいて、怨みを言うかと思っていると、反対に哀願的な態度に出た。庸三はもう遅いとか、明朝にしようとか二三押問答もして、もし新聞記事のことだったら、あれは自分も少し当惑しているところだと、弁解しようとしたが、葉子は興奮をおさえた泣くような声で、
「いいえ、そのことではなしに、どうしても今夜中にお逢いしなければならないことがあるんですの。今すぐ来て下さるわね。きっとよ。この間の処よ。お待ちしてますわ。」
受話機を卸して、庸三は溜息を吐いたが、自身にも収拾のつかない感じだった。
「どうしたんです。」
「来てくれと言うんだ。」
「行ったらいいでしょう。」
庸太郎が促すように言った。