후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 137,868자 · 278화면
前後の考えもなく木蔭の土塀に手が掛ると、平次の身体は軽々と塀を越えて、闇の御薬園の中へポンと飛込んでしまいました。
それから何刻経ったか、どこをどう通ったかわかりません。一万八千坪の御薬園の中、茯苓、肉桂、枳穀、山査子、呉茱萸、川、知母、人参、茴香、天門冬、芥子、イモント、フナハラ、ジキタリス――幾百千種とも数知れぬ薬草の繁る中を、八幡知らずにさ迷い歩いた末、わずかの灯を見付けて、真っ黒な建物の中へスルリと滑り込んでしまいました。
それはたぶん有名な高田御殿だったでしょう。とにかく、非常に宏壮な建物で、人目を忍ぶにはまことに好都合です。廊下から部屋へ、納戸へ、梯子段へと、人と灯を避けて拾っているうちに、いつの間にやら平次は、天井裏の密閉した一室へ入り込んでおります。
ハッと思って出口を探しましたが、どんな仕掛けがあったか、四方一様に樫の厚板で、戸や窓はおろかなこと、蟻の這い出る隙間もあろうと思えません。
「チェッ、勝手にしやがれ」
度胸を据えてドッカと坐ると、不思議なことに、床板のあちこちから、大きく小さく、下の大広間の灯が漏れております。
よく見ると、それは悉くギヤマンを張った穴で、この天井裏から、下の様子を覗くために出来たのでしょう。