후리가나로 읽는 일본 고전
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おちょうふじん
お蝶夫人
三浦 環
三浦 環의 お蝶夫人(おちょうふじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 123,730자 · 242화면
十二月中の寒さに、母は床の中で衣服をビリビリ破き、丸裸になっては、私が衣服を着せるとまた破き(常に帯などの堅いのをきろうていた母なので仕方もないが)、風邪になる事がおそろしくて私は泣いた。
昭和二十年は来た。昨年イタリイのバドリオが敵に降伏して以来、ドイツは赤軍及び米英軍におされおされて来た。
元旦のお餅をやわらかに煮て、母に差上げた。寒さはとてもとても強く、本年は八十八歳の母に、三月六日のその誕生日までには起きて貰えると嬉しいと思うていたが、この春からだんだんおとなしく衣服も破らぬようになって、ねむりがちの母は、もしやこれが老衰ではないかと私は心配になって来た。母は大小便を私に知らさぬようになった。毎日毎日おしめで取って、お床も居間の陽のあたる囲炉裏の部屋に移して、母は始めは腹ばいして床から床へ移られたが、だんだん不可能になって、私が抱えてお床を移して差上げた。
三月六日の母の誕生日に、赤の縮緬の袖無しを着せて、でも母は床の中で村の人達ににこにこ挨拶をした。お赤飯が出来ないので、知人や村人に十円ずつ差上げた。隣組に百円、青年団に五十円寄附した。