후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
吉川 英治의 かんかん虫は唄う(かんかんむしはうたう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 91,006자 · 182화면
彼女は今村と何か目交せをして、
「じゃ、君にまかせるわ。――そのかわり晩までにごあいさつがないと、わたし、どんなことをするか分らなくってよ」
と、幌の中へことばを投げて、お光さんは恥しげもなく、折れたはずの脚をもって軽快に歩き去った。
馬車は揺るぎ出した。それとほとんど一斉に切符売場は殺到する客で混乱しだした。――神学生の今村は、そのまま救ってやった馭車台に跳びついて、
「少しの間待っていたまえ――何、じきにすくよ、また今みたいな女愚連隊に引ッかかるとつまらんからね」
と、馭者に話しかけながら、眼は、幌の中へ媚びるように振りかえった。――その幌にくるまれた牡丹色のビロウドのクッションには盛装した石炭屋の夫人高瀬槙子と、姪の奈都子とが、ほッと、蒼白い顫きから救われた顔をしていたのである。そしてむろん、神学生の今村に対して、ふたりの眼は、感謝に盈ちあふれていた。
「……奥さん、何でしたら、僕が、切符を買ってさし上げましょうか。どうせ僕も買わなければならんのですから」
今村は言った。
槙子は、幌の奥から、
「ありがとうございます。切符は、私たち主人が馬を持っているのでレース倶楽部の会員券がありますから……」